2017年12月16日土曜日

蔵前散歩


蔵前から歩いて寿へ、浅草に近い台東区エリアの散歩。都内でもっとも自営業者の住民が多い区。路地端の商家の佇まいにとても惹かれる。


一見地味な建物に入るオーソドックスな喫茶店にはモトグッヂのオールドモデルが停まる。たぶん店主の愛車だろう。ハイカラな趣向を伺わせつつ、お洒落過ぎない、格好つけすぎないのが、浅草周辺の住民がよしとする粋、気質。


向かったのは寿4丁目の「パンのペリカン」。個人的に日本一好きな食パンを買い、4代目店主・渡辺 陸さんに取材に応じてもらう。ずっと憧れていた店。久々に緊張する。その想いを口にしたら「うちはただのパン屋です。緊張なんて、よしてくださいよ。でも嬉しいです。(今のペリカンのスタイルを確立した2代目の)祖父や家族に伝えたいです」と陸さん。そんなセリフがさらりと出てくることに、またジーンと深い感銘を受ける。


「パンのペリカン」に続いて、寿3丁目のオフィシャルカフェ「ペリカンカフェ」も取材。今年8月末のオープン。噂に聞いていたけれど、ようやく訪問を果たした。「パンのペリカン」とは違う、このロゴもかわいい。ポップだけどファンシーじゃない。そのあんばいがたいせつなのだ。大きなガラス窓にシェフが乗るオレンジのハーレー・ダヴィッドソンが映る景色が佳い。何もかも抑制が効いた洒落心、センスがじつに心憎いのだ。

この取材記事は今月末に阪急交通社の旅blog「たびこふれ」で公開します。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4