2017年11月17日金曜日

初立石呑み


柴又に暮らす芸人・野口寅次郎さん、寅さん通のKさんに知りあえて、この町がますます好きになる。今月も瘋癲の10日に再訪。帝釈天にお参りし、高木屋老舗で団子を食べ、夕暮れの柴又駅を観る。


寅さんの旅立ちを想起させるホームの情景がせつない。しんみりとした想いで柴又から高砂へ、乗り換えて立石に向かう。また帰ってくるね。今週18日の「アド街」は柴又特集。野口さんも出演しているそうです。


 齢を重ねるごとに僕の場合、夢への距離を短く設定している。やりたいことリストのほとんどが少し気張れば手が届く、ささやかなものばかり。そのひとつ「立石でおでんと自然派ワインを愉しむ」を実現。


「京成立石駅」を降りると、魅惑の酒処が軒を連ねる、酒呑みの楽園。商店街は惣菜を求める地域住民と僕らのような遠方者を含めた酔客が行き交う。一度訪ねればこのストリートのルールや名店の位置関係、呑み歩きの流れが見えてくる。ホルモン焼「うちだ」は酒の入った人はお断りだから一軒目に暖簾をくぐらないといけないとか、街角の中華「風龍」の餃子が旨いとか、大きな唐揚げで有名な「鳥房」は駅の反対側に位置し、二人なら一つだけ店内で食べ、もうひとつは持ち帰りにするとよいとか。そんな情報を店主から教えてもらえる。


はたして、憧れの「おでんの丸忠(旧・二毛作)」は想像以上の素晴らしい店だった。隣でぐつぐつ煮ているおでんをおかみさんが持ってくる所作、下町風のしっかりした味付け、千住市場で仕入れているという魚の刺身(妻がオーダー)、何よりお酒のセレクトに心酔した。酒蔵を訪ねて選んでいるという日本酒、この日は2種あった自然派ワイン、どれも沁みるおいしさだった。すぐに再訪したいが、夢が日常になるのも興ざめ。はじめてのときめきにまだ溺れていたいから、次はKさんおすすめ、渥美清さんゆかりの柴又駅前「春」さんで酔おうかな、なんて新たな夢を抱いている。

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