2017年10月19日木曜日

インテリアの勉強


好きなものを生活空間にどう飾り愛でるか。インテリアのヒントを得ようと鎌倉「もやい工藝」にときどき足を運ぶ。いかに物を魅力的に観てもらうか心を砕いた展示には、訪ねるたびに学びと刺激がある。この日は秋田・星耕硝子の小さなワイングラス、その佇まいに惹かれた。透過光で輝く手吹きガラスのやわらかな美しさ。たまらなく魅力的である。小谷真三ガラスを写したかたち。伊藤さん特有のきりっと澄んだ透明感はそのままに、造形が真三スタイルそのものに、どんどん近づいている気がする。


外国人客の増加に合わせて洋式に改装したトイレを借りる。久野恵一さんがサイドライトのシェイドをはずし、竹かごを掛けていた。長崎県佐世保の工人・野田利治さんがつくったものだろうか。このアイデアを以前うかがったとき、佳いなぁと憧れ、自邸では和紙を内面に貼って間接照明として愉しんでいる。僕のように大げさではなく、ささっと軽やかにしつらう、恵一さんの心の軽妙さに羨望する。


もやい工藝は一年中、季節の植物を工藝品と一緒に飾っている。これはお客さんからいただいたというオキナワスズメウリ。蔓性の植物が壁から垂れ下がる景色は野にあるように自然でさりげなく、すっと空間に溶けこんでいる。今の自分にはこういうふうに草花をコーディネイトをする洗練のセンスがない。できないことだから、いつかできるようになりたいと、店を訪ねるたびに眼にやきつけている。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4