2017年6月23日金曜日

薄明の鍛錬


日没直後の時間帯を薄明時(トライライトタイム)という。この時間帯に夜景を撮ると、濃度を増しながらも、空に残る青が写る。写真に劇的な印象を加味することができる。


充分に明るい市民薄明( Civil twilight)から、空と海の境がわかる程度の暗い航海薄明(Nautical twilight)へと移行し、あたりはどんどん漆黒に変色していく。僕の所有するライカM-Eのように、暗所でもきれいに描写するという意味で高感度設定に限界(カラー撮影なら個人的な実感として、実用的感度はISO800まで)のあるデジタルカメラでは、本来は三脚の使用が必須。けれど、手持ち撮影のスローシャッターはブレやすいとわかっていても、犬との散歩では、わざわざ重い三脚を携えようというモチベーションは持ちえない。


散歩どころか、仕事の撮影でも、よほどの暗所でない限り、三脚は携行していない。手持ちでいかにブレを抑えるか、いろいろ工夫して対処している。安心してシャッターを切れるのは1/15秒までくらいだろうか。さらに低速度のスローシャッターでも、かろうじて日没後の情景を押さえられるよう、散歩でも意識して練習を重ねている。そんな散歩の相方の四苦八苦につきあう犬。ちらちらとこちらの様子を伺い、カメラを構えると「わかったよ」といった風の表情で歩速を緩める。その仕草や行動が愛らしい。あくまで自分のペースを固持する猫では無理じゃないかなぁ。

LEICA M-E , ELMARIT28mm 4th EDITION f/2.8