2017年4月23日日曜日

やちむん展


鎌倉「もやい工藝」にて、恒例の沖縄やちむん展が始まりました。沖縄の海と空を思わせる明るい色彩と伸びやかな文様が特徴の焼きもの。スタッフが現地で窯出しに立ち合い、選び抜いてきたものばかり。初日は開店前から長い行列ができたそうで、ぼくが訪ねた昼過ぎも大変賑わっていました。年々、やちむん人気が高まっている印象。


半年ほど前に注文しておいた北窯・松田共司さんの金城型・蓋物(沖縄の言葉で「タラフー」)を受け取りました。実物は想像以上に大きく、思わず感嘆の声が漏れます。


左は半年前に購入した小さな蓋物。これの大きなタイプが欲しくて、お願いしたのでした。共司さんの造形力と奥さんの、のびのびとした筆使い。たまらなく魅力的です。仕入れてくれた、スタッフ堀澤さんによると、小さな蓋物は金城型をアレンジした共司さんオリジナルなのに対して、今回の大きな蓋物は金城さんの蓋物を忠実になぞったと、共司さんは話されていたそうです。堀澤さんも以前、富山「桂樹舎」吉田桂介さんのコレクションのなかに、このユニークなハンバーガー型をした、金城次郎作の蓋物を見かけたとか。


サンゴ礁の内海を想起させる、つまみ周辺のオーグスヤー(緑釉)の窯変が素敵すぎます。友人のタカナシさんが堀澤さんに尋ねたところ、沖縄ではこのオーグスヤーは、真鍮を焼いて作り、剥離止めとしてパーツ(つまみや土瓶の口の付け根など)のつなぎ部分に掛けるのだそうです。ぼくは真鍮の緑青が浮く景色に心酔するのですが、窯変の色の調子と、金属の風化具合が同じ物質だけに、通じ合うものがあると知り、感激しました。


嬉しい買い物のあとは、ブンブン紅茶店でランチ。セットで選べる飲み物は、北窯・宮城正享さんのマカイで供されるホットチャイを選びました。夏になると、このマカイにチャイのかき氷が盛られて出てきます。紅茶のおいしさはもちろん、やすらぎの空間感は、鎌倉らしい情趣に満ちています。もやい工藝のあとは、ぜひ立ち寄って欲しい名店です。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4
SIGMA DP3 MERRILL 75mm