2016年8月18日木曜日

真夏のもやい工藝


台風一過の昼前、気温が35℃にも達する高温のなか、所用で鎌倉「もやい工藝」へ。さすがにジョギングでのアクセスには危険を感じ、スクーターで海岸線の風を切る。酷暑のなかの走行はじつに爽快。オートバイは夏の三浦・湘南移動には最適の手段と思えます。夏向きの手仕事良品を集めた「涼夏の会」は終わりましたが、佐助の谷戸の風が通り抜ける店内には、まだまだ涼を呼ぶ美しいものがいっぱい。この和歌山・熊野、本宮ガラスの蓋物のように。沖縄、奥原ガラスで修行した職人が独立して開いた工房にオリジナル製品として、もやい工藝がオーダー。その健やかなかたちと、良心的な価格に惹かれます。


奥の間でお茶をいただき裏庭の緑に目をなごませ、憧れの壺を鑑賞。小鹿田焼、坂本浩二さんの2斗5升入り壺。今の日本にこれだけ肩の張った立派な造形の大物をつくれる人は彼のみ。技術、気力とも絶頂期の焼き物を手に入れたい。その想いを強く再認識しました。


自分の暮らしを彩る大物はまずはこれから。沖縄・北窯、松田共司さんの角甕。左端の特大サイズを選びました。大きさや、側面の文様もそうですが、何より魅了されたのは上縁の色合い。サンゴ礁の海を想起させるターコイズの青緑に、まるで岩礁が点在するかのように登り窯の強い炎が鉄分を浮き立たせています。その沖縄らしい南島の情趣に心を奪われました。この角甕は住まいの中心に据え、もやい工藝でのしつらいを真似て、季節の草花をいけてみたい。真夏にかなえられた夢の一歩。暑さを忘れて家へと戻りました。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm/f1.4 ASPH.