2015年5月17日日曜日

三浦ストア

  
三浦市、三浦海岸駅前に、小さくも大きな可能性を予感させる、魅力的なショップがオープンしました。三浦ストアは野菜や果実、小麦など地域で栽培、収穫された素材でつくられるジャム、保存食、パン、和菓子などを売ります。こう書くと「道の駅」みたいな、地域活性化のアンテナショップの一軒と想像されるかもしれません。しかし、空間に足を踏み入れ、什器やディスプレイを見回し、商品のパッケージを目にすれば、とても稀有な店であると直感が走ると思います。手仕事フォーラムメンバーのひとり、高梨農園の高梨武晃さんが手がけたインテリアには「好き」がたくさん散りばめられています。


インドのものと思われる重厚なヴィンテージ家具、古道具、南房総の竹細工職人をはじめとする手仕事の美しい良品。それら高梨さんが惹かれるものをディスプレイに活用されています。「好き」が濃密にあふれているのですが、息苦しさはなく、とても目に心地よく感じられるのは、色合いと質感に高梨さんのセンスが貫徹されているからなのでしょう。


お店のロゴや商品パッケージには、やはり手仕事フォーラム・メンバーであり、染色工藝家・芹沢 銈介さんのお弟子さんだった小田中耕一さんによる型染が多用されていて、それが温かい美しさをもたらしています。


鴨川の竹細工職人、宮田弘さんに制作をお願いした長芋入れカゴ。小田中さんのやわらかなタッチの絵が地域の農作物の加工品を魅力的に見せてくれるよう。

  武晃さんと一緒に、畑に立つ奥様、尚子さんのアイデアでしょうか。野菜の並べ方も洒落ています。このザルも宮田さんの手によるもの。

高梨農園が育てた野菜や果物を使って、三浦市初声のパン屋「充麦」 がつくったパン、レモンを餡や表面のチョコレートに混ぜた「斉藤菓子店」のレモンまんじゅうなどおいしそうなものが店内にはいっぱい。


充麦のパンは腹ペコのあまり、買ってすぐに食べてしまい写真を撮っていないのですが、三浦市の眩い陽光を思わせる、レモンまんじゅうの爽やかな甘みには深い感銘を受けました。手前のチョコレートがけのタイプは時期限定で並ぶそうです。


高梨農園で自分たちで栽培、収穫した野菜を手作りした 漬け物とピクルス、関口牧場と協働してつくったミルクジャムは、これからじっくり味わうところ。ハリハリ漬けは昨晩、我慢できずにつまんだのですが、ご飯が進む進む。久しぶりに2合ものご飯を平らげてしまいました。



高梨夫妻は30代。ニュージェネレーションな生産者の道を示すようなポジティブで前向きなアイデアと実践力には心踊らされます。店の向かいにあるコーヒーハウス「ぽえむ」で今後の展望について高梨武晃さんから聞き取り、興奮を隠せずに、耳を冷静に傾けるだけでなく、いつものように唾をとばして長々と主観を語ってしまいました。
地域の生産者が考え、つくり、自ら売る。しかも美意識をもって。稀有な存在である、このショップの価値にこれからも注目し、展開を楽しみにしつつ、ぼくも何かお手伝いできることがあれば、と考えています。 

LEICA M-E SUMMILUX50mm , MACRO-ELMAR90mm

追伸:「ぽえむ」のコーヒーメニューはなんと約100種類! 意見を交わしながら、店のスペシャル感にも圧倒されていました。ここも再訪しなくちゃ! 三浦海岸駅周辺、いろいろ、いい店ありそうですよ。