2017年9月24日日曜日

海岸廻り


逗子駅と葉山の町を結ぶ京急バスには国道135号線の山ルート、県道森戸海岸線の海ルートと2通りがある。僕は季節や時間帯により、どちらかを選び乗車する。山ルートは車窓の眺めが味気ないものの、降車バス停近くで買い物をして帰れるのが便利。相模湾沿いの旧皇族用馬車道を進む「海廻り」路線は所々、海の眺望が開け、独特のリゾート感に気持ちを昂らせることができる。乗客には地元ブランドSUNSHINE+CLOUDのウェアを着る人もいて、ほど佳く脱力している様子が微笑ましい。軒先が両側から迫る狭い道は対向車とすれ違うのも大変。スリリングな状況に遭遇することもあり、そのたびにバス運転手の職人的テクニックに唸らされる。僕はこの「海廻り」バスを利用できるよう、町内でも海側の地域に住居を構えたくらい好きだし、特別な海辺の保養地を象徴する存在だと思っている。

 SIGMA DP3 MERRILL 75mm f/2.8

2017年9月23日土曜日

鎌倉的洗練


鎌倉に用事があり、出かけた休日。しばらく歩いていなかった鎌倉駅東口前で目が釘付けになった。藤沢のとびきり旨い豚肉など上質な食材を供する萩原精肉店。閉店時の佇まいに痺れた。以前、葉山・森戸海岸にあった「カフェ・マニマニ」店長・土屋由美さんの推薦で取材したとき、店主はたしか上品な女性だったと記憶しているが、その人のセンスなのだろうか。店名の大きさと配置、全体の配色と色合いが抜群にモダンだ。ミニマルなんだけど、どこか温かみも含んでいる。こんな洒落た食材店は京都にもないんじゃないかな。海辺の古都・鎌倉らしい粋っぷり、侮れませんね。

SIGMA DP3 MERRILL 75mm f/2.8

2017年9月22日金曜日

sahan


食べるひとの健康を考え、きちんとした食材を選び、調理を誠実におこない、心をこめてつくる。そんな料理を町なかで求めても、自分にはなかなか出合えない。とはいえ、おいしさの余韻にしばらく浸れる料理だけでなく、食後に気力を失うジャンキーなフードも口にしては後悔することもしばしばある。そんな主義・思想にグレーな余地が多い男でも、ときどきは食の基本を鎌倉「sahan」で思い起こす。


定食はごはんかパンに旬の食材のよさを引きだしているおかずを組み合わせた一種のみ。女性店主が注文を受けてから、じっくりていねいにつくる。きちんとした仕事、ていねいな仕事に毎度深く感動し、体と心が悦ぶ。食、ひいては仕事の大事をいつもここで教わっている。いつまでもこの空間があり続けますようにと願っている。

SIGMA DP3 MERRILL 75mm f/2.8


2017年9月21日木曜日

浦賀の休日


久しぶりに妻と連休のくつろいだ時間を共に過ごす。家から車で40分ほど東京湾口の浦賀までドライブ。遠くなく、近すぎず。家からこれくらいの圏内が外出には気楽に思える。昼食にと向かったのはマリーナ内にある「one-copain」。


浦賀特有のローカルで平穏な雰囲気、のどかな室内で海を眺めリラックス。ひとりで天然酵母パンをつくり売る女性の朗らかな活力もじつに気持ちいい。いつものように、ピタパンにチーズなど好みの具をサンドするよう頼み、パンプディングを温めてもらう。あとはセルフのコーヒーとパンを味わい、まったり。季節外れのリゾートに来てしまったようなのどかさ。これほど安息を得られるブレッド・ショップを僕はほかに知らない。


かつて浦賀に暮らしていたのに、店から見える美しいビーチに足を運んでいなかった妻の親友を連れ海辺へ。小雨降る燈明ヶ崎。陽がないと波打ち際はエメラルドに輝かないけれどスモーキー・グレイな風景も佳い。対岸に浮かぶ房総半島のシルエットが旅情を誘う。

LEICA  FLEX SL , SUMMICRON-R35mm 1st EDITION f/2
KODAK PORTRA160




2017年9月20日水曜日

RAP MUSEUM


電気自動車 LEAFで久々の遠出ドライブ。東京湾岸の横浜からアクアラインで対岸の木更津へ。館山自動車道にそのまま乗って市原市高滝湖の湖畔に立つ美術館を訪ねる。海と湖、水辺伝いにアクセスするルートは道が空いていることもあってスムーズ。東京に出かけるよりはるかに安楽で、今後、この美術館は頻繁に目指すことになりそうな予感。


ラップの世界観を紹介する『ラップ・ミュージアム展』。


妻と違って自分は関心が薄く、なんで台風が近づくこの日にわざわざと内心思っていた。



主題への関心は希薄でも、入場してすぐに空間構成のセンスに感心する。シナベニア材や無垢なマテリアルの多用、ゴシックフォントのテキスト解説。簡素でストレートなディスプレイが佳い。なんだか倉庫をテーマに設計してもらった自分の家に似ていて、とても居心地がいい。展示手法はラップを表現したものなのだろうか。



自分がふだんはまず選ばない光沢のあるソニーのヘッドフォンも、この場にふさわしいように思える。そして、妙に格好よく感じる。ラップの歌詞は叙情的な詩造りにも通じる。そう視覚的に理解できる液晶モニターの展示。


曲づくりに用いるのはアップルコンピュータ。SONY , apple・・・。ラップ・カルチャーの根源を自分の好きなものが支えている(のだろうか?)。


全天候型カセット・プレイヤー。懐かしさと同時にソニーの黄金期に想いを馳せる。


モバイル・オーディオ・プレイヤーとラップの密な関係。なんでもカタチから入りがちな自分には周辺の機器からラップへの関心が高まっていく。


そして入口近くにあった展示に戻って細部を眺める。ラップにのめりこむ男の部屋。好きの嗜好は違えと、自分が心地よいと思う空間感が確かにある。たぶん実在の人物のインテリアをリアルに再現しているのだろう。桟に置かれたヨロッコビールに実像を想起する。


コンピュータ、オーディオ、黒、ゴールド・・・。マニアックな要素も多少まじえながら構築されているラップの個性的なスタイリングに魅せられたあと展示空間中央のブースに戻ると、別の視点で観ることができた。知ることの快感に酔いながら、自分はにわかに熱を帯び始めていた。





自由に飲食可能なスペースでは、ラップを基調にしたDJイベントが催されていた。YOU THE ROCKが造り出すリズム、演出に体が自然と呼応。展示を見始めて1時間を過ぎてラップと周辺のカルチャーにすっかり魅了されたようだった。個人的にはラップ単体より、その要素を増幅した華に聞き惚れた。まずはYOU THE ROCKから聴き始めてみよう。




LEICA FLEX SL , SUMMICRON-R 35mm 1st  f/2
KODAK PORTRA160
iPhone SE


2017年9月19日火曜日

ライカの入院


運搬中の衝撃が要因で、愛用のライカM-Eのスイッチに違和感が生じる。シャッターユニットの交換かとドキドキしながら銀座みゆき通りのライカ銀座に持ち込む。分解とメンテナンスが必須。部品交換の可能性もと診断され、外国車の車検並みの見積もりに動揺するが、加入している保険で補填可能になり安堵。シャッターユニットは堅牢なのでまだまだ大丈夫とのこと。公私ともヘビーユースしていた影響への心配は杞憂に終わる。


点検・修繕が完了するまで三週間。それまでは半世紀前に製造されたライカの一眼レフカメラで日常スナップを愉しみ、仕事の撮影も代用するつもり。このライカフレックスSLは浅草のハヤタ・カメララボでレンズクリーニングを含め完全にオーバーホールしてもらった。かなり費用がかかったけれど30年は問題なく駆動するでしょうと太鼓判を押される。


ハヤタ・カメララボはライカの機械式カメラの修理に応じてくれる。Mシリーズでは電子基板の無いM5まで。M6以降とデジタルライカはお断り。早田カメラ代表・早田さんのお弟子さんで確かな腕をもつ職人が控え、年齢も僕より少し上くらい。デジタルライカはいつまで維持できるかわからないし、いずれは修理対応も完了してしまう。けれど機械式フィルム・ライカならばフィルムが絶滅しない限り、ずっと使い続けることができる。早田さんがメンテナンスした堅牢で実用的なM5をいずれは入手したいと思っている。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4

2017年9月18日月曜日

パフォーマー北斎



日本史上最高のアーティストと敬う北斎。創作のみならず、広報活動も圧巻のパフォーマンスで民衆を仰天させました。



江戸と名古屋で巨大ダルマを描いた驚きの見世物活動、町の活況、そしてPRにより世に広めたいと北斎が願った絵手本『北斎漫画』全編をすみだ北斎美術館にて展示中です。


館内のあちこちで巨大ダルマと目が合う愉快な仕掛けも。ひとつのテーマを掘り下げ、どうわかりやすく伝えるか。美術館のプレゼンテーションは今回も多くの学びがありました。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4